腐女子

Open App

《隠された手紙》

隠された手紙を探せ!

私は明智小五郎ならぬ、菊池五郎、探偵をしている。自分で言うのもなんだが、その界隈ではわりと有名だ。

今回の依頼人は、財閥で有名な白鳥川雄一郎の息子の光一郎だ。

光一郎は弓子という女性と交際をしている、とても美しい女性らしい。

光一郎は弓子を紹介するため家に連れてきて家族に会わせた。

そこまではいいが、父の雄一郎が内緒で身辺調査したところ、金銭目的が高いと言われたと言うのだ。
「お前はあの女に騙されている、別れろ!」の一点張りで話にならない。

父を無視し、光一郎は数千万の婚約指輪を購入した、弓子にサプライズで渡すため手紙に婚約指輪を入れて渡す事を考えたのだ。

ところがなぜか、それが父にバレてしまい手紙ごと指輪を隠されてしまったというのだ。

指輪をまた購入する事も考えたが、またバレてしまったら同じことの繰り返しになってしまうと思った、それに出来るなら父から取り返したい、そんな気持ちで私に依頼してきたという。

私は依頼を受け、白鳥川家を家探しする事にした。もちろん父の雄一郎が留守の時を狙って。

トイレのタンク、クッションやら額縁、植木鉢、屋根裏。
もちろん雄一郎の部屋や、本棚の本なども調べた。
それ以外の場所も事細かく調べたが手紙は見つからなかった。。


『菊池さん、ありがとうございます、すでにこの家にはなく、父は貸金庫にでも隠したのかもしれません、、』

光一郎は肩を落としながらそう言った。

そうして終わった今回の依頼、なんともスッキリしない終わり方だ。








白鳥川家から探偵事務所に戻ってきた私は、事務所の金庫を開け、中から光一郎が書いた指輪入りの手紙を出した、無事かどうか念の為確認するためだ。


私は光一郎に依頼を受ける前に、父の雄一郎に依頼を受けていたのだ。
この手紙を見つからない場所に保管してくれと・・・。

光一郎に対して若干の罪悪感を覚えたが、頭を冷やす良い機会だ。本当に彼女のことを愛しているのなら彼自身で何とかするだろう。

私は今回の仕事を振り返りながら、タバコをふかした。

2/3/2025, 2:26:20 AM