笹島僚太

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ときどき思い出すことがある。

あれはまだ高校生だった河原くんと安居酒屋でベロベロになるまで酒をあおっていたある日。

店を出ると三人組で歳は同じくらいの不良に絡まれた。

鋭く睨み合った後、まず最初にぼくが一発殴られた。

喧嘩慣れしてるがやはり痛く、頬がジンジンする。

それをみていた河原くんが三人相手に飛びかかった。

が、相手はバットや鉄パイプの武器を持っていた。

さすがの河原くんもタコ殴りにされてしまい
急いで仲間たちを集めようと連絡しようとした瞬間、

「うおおおおおおぉぉぉ!!!この野郎!!!てめぇらが武器使うならおれも使うからな。覚悟しろ!!!」

そう言って河原くんは勢いよく立ち上がって
護身のために脇腹に忍ばせておいたドスを引き抜き
一人一人滅多刺しにしてしまった。

酔いも覚めて罪悪感が身体中にむしばんでいく。
ぼくらは逃げることもなく、呆然と立ち尽くしている。
挙句、住民に通報されて警察に捕まってしまった。

正当防衛や少年法が適応されてそこまで重い罪を被ることはなかったが、彼は少年院に送られた。

そしてそれ以降、ぼくらは疎遠になってしまった。

お礼を言いたい。謝りたい。ずっと友達でいたい。

河原くん、いまなにしてるのかな・・・・・・

そろそろ寝ようとベットに入ろうとすると
静まり返った真夜中にインターホンが鳴った。

5/18/2024, 6:00:41 AM