あまり色のない世界に生きている気がする。
色はついているがのっぺりとしていて
すべてが少し遠い。
仕事に行くために朝起きる。
顔を洗って髭を剃り、買い置きの缶コーヒーを飲む。
しばらくクリーニングに出していないスーツに袖を通し、
くたびれた靴を履く。
コンビニの横を通って最寄駅から、
電車に乗り、
パソコンに向かって仕事をして、
社食で昼食を取る。
昼休憩に、スマホのゲームをぽちぽちやって、
また仕事に戻る。
残業があることもあるが、
それがどうとか、あまり考えない。
ともかくもやるべきと思われることをやって、
人がまばらになると
暗がりのなか、会社を出て、また電車に乗り
家に1番近いコンビニによる。
コンビニは明るい。
暗い夜道でもそこだけ眩しい。
目をまたたいて、眩しさに毎度驚く。
並んでいる商品のパッケージ、
ポスター、
白い床、
店員の制服。
これだけが、色とりどりの、世界。
1/9/2023, 6:52:05 AM