まいける

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星空の下で

ずっと昔、一時期屋久島で働いていた。
友だちの彼氏の家族が民宿を経営していて、急な人手不足で困っていた。
私が無職でぷらぷらしていたことを知っていた友だちが「働かない?」と声をかけてくれたので行ってみた。

人に任せていた民宿を急に回さなければならなくなったオーナーは、てんやわんやであちこちに声をかけたらしく、想像以上の人数が集まっていた。
稼ぎどきの夏だったため、オーナー自らやらざるを得ないと思ったらしい。
夏休みに入ったオーナーの息子さんら大学生たち、その彼女やその家族たちなどなど、私を含めて全員シロウトの行き当たりばったり凸凹チームの合宿生活みたいな不思議な暮らしが始まった。
いつもお客さんの数よりスタッフの数が多かった。
そこでの生活はいいとして。

屋久島の星空は素晴らしかった。
永田浜は、海亀の産卵のために車のヘッドライトを遮るように遮光林が植えられ、静かで暗い。
たまに夜、1人で浜を訪れて寝転んで星空を見た。
現在は夏の夜間の立ち入りは禁止のようだが、当時は禁止されていなかったと思う。

ある時、大学生だった妹と妹の友達たち5人が遊びに来た。
私は溜めていた休みをもらって、屋久杉に会いに山に登ったり海で泳いだり温泉に行ったり、彼らと一緒にたくさん遊んだ。
夜は暗い浜へ行ってみんなで寝転んで星空を見た。
最初はなんとはなしに話していたが、だんだんポツリポツリになり、最後はずっと静かだった。

気のいい連中で、年の離れた私を自然と受け入れてくれてたまに一緒に飲んだりもしていたから、その頃には打ち解けていた。
それでも、街中で飲んでいる時には無い時間が島にはたくさんあった。
そのうちの1人が亡くなって、とてもショックだった。
自分より若い人を失うのは耐えがたい。
何年も会っていなかったから後から聞いた話では、とても彼女らしい、心の力を感じさせる最期の時間を過ごしていたらしい。
本当に彼女らしい。

自分の人生に星空の下で過ごした記憶はそんなに多くはないけれど、そのうちの1つにあの時間があったことを幸福に思う。

4/6/2026, 6:06:27 AM