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 選抜高校野球が始まった。高校球児だったわたしは、この時期になると試合が気になって、仕事に身が入らない。休みの日には全試合観ることもある。
 高校野球を観ていると、純粋に夢を追い続けていた10代を思い出す。野球を始めた9歳から高校3年の夏までの約10年間は「甲子園出場」のために努力し続けた。あの頃、練習はきつかったが毎日が充実していた。
 甲子園出場という夢が散り、大学入学という新たな夢ができたのだが、夢から夢への接続は上手く行かなかった。大学受験のための勉強には身が入らず現役では不合格。不合格で落ち込んだが、入った予備校での生活は充実していた。面白い授業、意識の高い友人。現役の時とは比べられない位勉強に没頭した。野球にのめり込んだように。
 甲子園出場とういう夢を抱きながら、大学入学という夢も持つことが出来たら浪人することはなかっただろう。夢から覚める前に新たな夢を持つ。
 夢の中で生き、夢の中で死んでいく。そうたな。

3/21/2024, 1:20:25 AM