ぱいなぽう

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テーマ 生きる意味


世界一美味しいコーヒーを飲むために、
彼は世界中を飛び回った。

豆の種類を知り、焙煎の種類を覚えた。
挽き方を勉強し、さまざまな飲み方で飲んでみた。

時にはコーヒーを淹れる器を探したり、
コーヒー似合うお菓子を買って来たりして、
ひたすら研究をした。

何十年もコーヒーと向き合った彼は最期にこう言った。

「どの豆もどの飲み方も非常に美味しいかったが、最高に美味しかったのは穏やかにすごす休日の一杯のコーヒーだった。そう、意外と身近にあったんだ。」

コーヒーの為に生きた男はそっと一口コーヒーを飲むと満足した様子で静かに目を閉じた。

4/27/2023, 12:36:15 PM