つんのめって逆さまに落っこちた後。頭上に広がる蒼の中で、鰯の群れは優雅に泳いでいた。横を見れば、沢山のガラスのその奥に私を見つめる人の姿が見える。通過列車のような速度で、断続的に見える目。数十メートルの水槽の中に投げ入れられた鰯。群れから逸れた鰯。可哀想な鰯。昼放課は餌やりの時間。空の鰯の群れにもなれず、冷たいコンクリートに食べられる迄。「逆さま」 白米おこめ
12/6/2024, 10:30:11 PM