派手なサングラスも、日焼けした肌も、チャラついた金のネックレスも、はしゃいで走り回った砂浜も、みんなみんなつかの間の夢。
飛行機に乗って空港から飛び立てば、現実が否応なしに追い立てる。
夢はおしまい。
さあ戦え。
立ち止まることは許されない。
ひっくり返ったサーフボード。弾けたように笑う声。
ホテルの部屋を吹き抜ける風。
トロピカルドリンクと抱えた本の束。
脳裏に確かに刻まれた、無くしたくないもの。
つかの間の夢を抱えて戦場に立つ。
END
「真夏の記憶」
8/12/2025, 3:48:27 PM