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正直、何を書けばいいんだろう?
そんなことを思いながらいま筆をとっています。

あの頃の私へ。

書き出しだけは決まっているこれを書こうと思ったのは、ちょっと面白い企画に当選したからとかそういうのは抜きにしてもきっとこれがいつかの貴方への答えになるかと思ったからです。

でも貴方も私だからわかってくれてると思いますが、私は文章を書くのが苦手です。
だから、とりあえず何も考えずに書きます。

あの頃の私へ。
先日貴方からの手紙が届きました。
タイムカプセルに埋めてくれたたくさんの宝物も一緒です。

あなたからの質問に答えます。

あの頃の私の周りがキャーキャー言ってたクラス1モテていたあの子は、先日の同窓会ではあの頃の面影もないつまらねー男になってました。

あの頃の私が大好きで読んでいた漫画はなんと今でも続いてます。そして今の私も大好きです。付録めっちゃ嬉しかったです。

あの頃の私、なんて残酷な質問してるんですか…!?
恋人も好きな人もいないまま、ここまで生きてます。満足か。

あの頃の私
大丈夫です。私は生きてます。
あの頃の私が生きてくれたからです。
ありがとう。

それでは、私も貴方に倣ってこれからこの手紙をあの頃の私に届けられるよう、未来の私に託します。

この手紙はいつかの未来の私がいる時代、
過去に思いを届けられるようになる時代に貴方に送られるそうです。

それではそろそろ自分でも書きたいことわからなくなったので終わります。
あの頃の私へ、一緒に頑張ろー!

いつかの私より。

―――――――――――――――
そこまで書いて一息つく。
あの頃の私が書いた手紙をこうやって新しい便箋に書き直すのも何回目だろう。
届かない手紙の数を数えるのは疾うの昔にやめた。

そして、これだけは書き直されずに「私」まで届いた手紙。




ただその前に内容確認で未来の私が読むらしいです。

なのでこれは内容確認してる未来の私へ。

この手紙を読んでいる私へ。

あなたのいる時代がどんな時代かはわかりません。
私の時代は最高で最悪です。
ただ、生きていきます。
あの頃好きだった漫画の名前は忘れました
恋人の名前も思い出せません。
今日は何を忘れたかわかりません。
明日は何を


5/25/2024, 10:15:44 AM