お題 明日世界がなくなるとしたら、何を願おう
明日世界なくなるんなら、たぶん何にも願わないな。
世界なんかたぶん無くならないから、現実味がない。
世界がなくなるってことは、みんな消滅しちゃうってこと?
死んでも天国に逝けそうにないし
来世があったとしても、人かも分からないし。
でも、もし人に生まれ変われるなら、
ひどく傷つけてしまったあの人と、もう1度出会い直して、どんな形でもいいから近くにいたい。
自分でも気持ち悪いと感じるけど、世界がなくなる1秒前でも、心からそう願ってると思う。
何度も何度もくっついたり、離れたりを繰り返した後、
私たちは永遠じゃない。この男は私を一生涯は愛せないし、どこまでいっても私が求める愛情は与えてくれないと悟ったとき、
だったらいっそ、彼の心を傷付けて、一生嫌われて、恨まれたいと望んだ。
嫌われた方がこの先、彼と2度と会えなくなっても、好き合っている今より、ずっと長く彼の心の中に私が存在することが出来ると
若かった当時の私は本気でそう考えて、実行した。
彼を好きになって初めて、好き同士だとしても
その気持ちは決して、同じ熱量ではないという事を思い知った。
近寄ればすぐに大群になって、いつでも餌を欲しがる池の鯉みたいに、
投げ入れられる少ない量の餌を、水面から必死にパクパクと、もっと欲しい、もっと欲しいと、口を開けて待っている、そんな状態だった。
彼を渾身の酷い言葉で傷つけ、自分の吐いた言葉で自分が予想以上に大ダメージを負い、
眠れなくなり、食べれなくなり、体重が30キロ代まで落ちた頃、
彼から共通の友人経由で星の王子さまの本が贈られてきた。
なんで??
別れてから数ヶ月、わたしが日常生活も満足に送れなくなるほど心を病ませていた間、肝心の彼は呑気に本を読んでいた。
元々読書が好きな人ではあったけど、でも、どうやっても埋まらないその差にまた愕然とし、絶望して、最後は自力で立ち直った。
憐れまれていたのか、怒ってたのか、呆れてたのか、または、単純におすすめの本として読ませたかったのか、今でも全然分かりたくない。
悲しいことに、私が私であって、彼が彼である限り、お互い到底分かり合える日は来ない。
夫婦にも、恋人にも、友だちにも、仲の良い同僚にも、隣人にもなれない。
どこに入っても、きっと相性は最低で、バランスが取れない。
それでもどうしようもなく惹かれてしまうのは、紛れもなく彼が彼だったせいだ。
だから世界がなくなったあとの来世では、どんな形でもいい。
柔軟に、少しだけ同じで、適切な距離で、
5/7/2023, 1:20:07 AM