厚い雲が星を隠し、雨が降ってきた。
何処かで雨宿りしたいところだが……いくつか理由があって、それも叶わない。
気圧が下がって頭が痛む。フードを被ったとはいえ、この雨を一晩も凌ぐのは不可能に等しい。
「こんばんは、お嬢さん」
どうしようか考えていたところ、突然声をかけられた。声を掛けられた。
その体躯と刀を携えた姿に圧倒され、私は後退りした。
「……えっと、こんばんは」
「驚かせてしまったなら申し訳ない……しかし、この雨の中で傘も差さずに、どうしたのかと気になってな」
『』
お題
「心と心」
12/12/2022, 10:06:00 AM