軌跡
死のう、そう決めた時に無性に生まれ育ったあの地に行きたくなった
有り金を全て使い果たして向かったあの地
都会のように高い建物なんてほぼない
プライバシーなんて欠片もない
ドが付く田舎
そんな田舎についた
見渡す限り記憶の中のそれと変わらないその場所に何とも言えない気持ちになった
目的もなくただただ歩き回る
(ここは実家があった場所)
(この道は通学路)
(ここは小学校)
(この道は…)
ただ歩いているだけで頭に鮮明に浮かぶ懐かしい記憶
それを一個一個 確かめるように辺りを見渡しながら歩く
それはまるで自分の軌跡を辿っているようだった
5/1/2025, 9:05:05 AM