No.3
お題「最悪」
「最悪だな。」
毎日そう呟きながら、今日もただ天井を見つめる。
昔は自分を誰かに認めてほしくて、見てほしくて、
誰かのためだけに足掻いたものだ。
そうしてるうちに、なんのための、誰のための僕の人生なのか分からなくなって
気づけば、人に見てほしいなんてくだらない願望はなくなってた。
次第に他人が称賛される姿も、楽しそうにする姿も、悲しそうにする姿も、
全てが腹ただしいように見えていった自分が怖くなり、
人と顔を合わせることはなくなった。
毎日小さな部屋の小さな布団で、何も無い天井と電球を見つめて
「最悪だな。」
それだけを口にして、長い眠りに就く。
6/6/2024, 12:52:39 PM