─君を照らす月─
何年か前の冬、とても大きくて綺麗な月だった日。
川の近くの道をふたりで歩いている時、月を見て君は言った。
「月の告白って知ってる?」
「知らない、教えて」と言ったら君はがっかりして「やっぱなんでもない」と言ったことを取り消した。
その日から君とは会っていない。僕はそこから数年経って社会人になり働いている。
今日、冬の暗い夜。その日は君がいた日と同じく月が大きく綺麗に輝いていた。
仕事の帰り道、月を見て君を思い出し、久しぶりにその道を歩いた。
歩いていると人影がふと目の前に映った。顔をあげると君がいた。
君は綺麗な笑顔で笑っていた。月明かりに照らされ綺麗に輝いていた。
僕は言った。
「今日も、月が綺麗ですね。」
11/16/2025, 1:46:00 PM