色野おと

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冬の空はどんよりとしていることが多い。

それでも青い空が見えて、
冷たいながらも温かいヒカリを感じる日なんかは
季節の中でも一番、空は澄んでいる。
だから陽のヒカリが余計に明るくさえ感じる。

冬だからこそ見られる貴重な、かけがえない空。
季節とともに暮らしていた昔の人たちは
そんな日を〝冬日和〟と云ったものだ。

そして、空は晴れているにもかかわらず、
小さな小さな、手に乗るとすぐに水滴になる雪が
少し暖かい陽射しの中をちらちらと舞う……
そんな〝風花(かざばな)〟が見られる日もある。

私が子供だった頃は
厚着をして手袋をして〝凍晴(いてばれ)〟の空に
四角い凧をあげてわいわいとしたものだった。

冬晴れというのは、そんな冬だからこそ
心を豊かにしてくれる天気模様だなって思う。
そんな冬晴れの日に、もし訊ねられたなら
なんて思うだろう……

「きみは、雪がとけたら何になると思う?」



テーマ/冬晴れ

1/5/2024, 9:28:53 PM