人形の様な人々は、人形の様にたたずむ
行く宛も無いから、只、たたずむ
床も壁も真っ白で、落ち着かない待合室
皆、同じ様な服
洒落た服を着ている者は居ない
私以外は
私は
行く宛も無いことが誇りなのだ
私は特別だ
ふらふら歩いている方が勿体無い
只、たたずんでいる
無個性な中で、私は輝く
誰も言葉を発さないなら
私が言葉を発しよう
私の素晴らしさを
気高さを
嫌と言う程に聴かせてやろう
今や私は無個性なのか
洒落た服さえ意味が無い
立ち上がれない
彫刻に成ったように
身体が動かない
今や私は無個性なのだ
情緒が消え失せる
感覚が薄れる
どうでもいい
もうどうだっていい
下を見て安心する私は
何時の間にか
地の底へと
堕落したのだ
室内は気味の悪いくらいに
静かなのだ
9/29/2022, 10:17:36 AM