「せんぱーい、遅いですよ!」
「待ってくれ、そんなに急がなくてもいいだろ...」
二人は螺旋階段を登っていた。疲れ果てたグリムは黒いレンガの壁に手をかけながらゆっくりと進む。先行していたリュミアが戻ってきて、階段に腰掛ける。グリムは差し伸べられた小さな手を取り、隣に座る。
「おまえ、いつもこんな階段登ってるのか?」
「そうですよ、これ修行のうちですから」
彼女は子供のころからこの塔の頂上で星占いの修行を積んできたらしい。今夜はきれいな星が見れるということで、誘われてついてきたのだった。超新星がどうとか、そういう話を熱心に話してくれた。
「まるで永遠に続いてるみたいだ」
「もう少しで終わりですよ」
ふとリュミアは何かに気づいたように俯き、申し訳なさそうに言う。
「ごめんなさい、やっぱりもう少し休みましょうか、先輩に無理させちゃうの悪いです」
「いや、大丈夫だ。登れるさ」
きっとこんな機会ももうないのだ。彼女が自分を誘ったのはそういうことなのだろう。
頭上を見上げると、塔の頂上から溢れた星灯りがかすかに煌めいていた。
3/15/2026, 12:32:38 PM