夕闇を追い掛けるように歩く坂道
遠山を巡る鴉の声
小川と木々は囁き合って、行きずりの雲を見送る
カサカサと歌うビニール袋
海の牧草、森の宝石、大地のりんご
それと、丸くて甘いサプライズ
わずかに上向くあなたの口角を思い描きながら
弾む心の律動に任せて歩く
憂いた再会、夢見た永遠
例え名や姿さえ変わろうと、私はあなたを見つけ出す
悔いを抱え、目を瞑り、悟った素振りで眠る私を
あなたはきっと、あの頃からずっと見つめていた
妬む私を、猛る炎と讃えた
卑怯など振り翳す私を、勇壮なる雷霆と言祝いだ
救いようのない汚濁を、下らない運命を
剥がれた体で、微笑んで
蓋をして押さえ付けた泥濘のようなこの愛すらも
全てを見抜いて愛して、愛したまま失くしたあなたを
その熱い視線を私は恐れない
失わない為に、そう、大袈裟などではない
あなたが差し出すのなら、それ以上に私が満たそう
だから、少し駆け足で歩くのだ
踏切に合わせて揺れてみる
早く、早く、無意味に急かす拍節器
線路を越えればすぐそこに、私を待つ灯火がある
空の太陽が隠れても、小さな部屋を照らす光がある
耳障りな解錠にももう慣れた
帰りましたよ、Maahi Ve
小走りで飛び込んでくる、私だけの太陽よ
(小さな幸せ)
3/28/2025, 1:25:35 PM