ウーレ

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最近、書く習慣で「もっと読みたい」を貰えなくなっている気がしていて、少し焦っている。

何故焦っているのかと考えてみると、どうやら「価値」にあるらしい。

さて、読みものとは読者の数で価値が決まるのだろうか。

____わたしは是と言う。

読者の数とはすなわち読む数。つまり“解釈”の数である。

解釈は多ければ多いほど、その中身への理解(愛)が深まる。すると唯一無二の感情と知見を獲得し、読みものとしての進化を果たす。

例を挙げてみよう。

“夏目漱石”。

____彼は多くの名作を遺した。

わたしが初めて彼の作品を読んだとき、「不思議な人だ」と思った。

高等教育機関での解釈は、「これらの作品は、彼の心理状況を細やかに映し出している」。

恩師は彼自身に着目することはなかった。

こうした解釈。3人だけであっても、それぞれ異なる見解を持つ。

また、文学作品には「表象」が不可欠であるという。

作者の生きた時代。経歴。どんな姿か、髪の毛一本一本に至るまで知ろうとする研究。それら全てを作品に重ね合わせる。

そして作品の偉大さにひれ伏すのだ。

こうして“知る人”が解釈を増やし、今のわたしたちには常識とも言える“夏目漱石”が浸透した。

であるから、読まれる数(=解釈の数)は「価値」に直結すると考えたのである。

【心の境界線】

11/10/2025, 12:59:43 AM