ラララ
「ラララ、ラララ、ラララァ〜」
小学校から家までの帰り道、今日も幼馴染の梨良は僕の横で陽気に鼻歌を歌いながら歩く。
本当に頭の中がお花畑なんじゃないかと思う。
そんな通学路を俺は6年間も歩いていた。
そして中学に上がっても家がお隣同士なので今も自然とそのままだ。
変わったところと言えば、、
「んんん、んんん、んんん〜」
少し羞恥心を覚えたのかハミングになっている。
「今日はなに歌ってんの?」
梨良のハミングはよく聞くといつも色とりどり違っている。だからこうやってたまに聞くのだ。
「んんん〜、ん?『かくかくしかじか』ぁ〜、んんん~」
リズムを取りながらついでのようにそう言う。
「わかんねーよ」
「もう長いんだからわかってよぉ〜」
「そうかぁ〜」
俺は梨良の言葉を聞いて連想ゲームのように嫌なことを思い出し、ちょっとテンションが低い声が出た。
同族嫌悪、
俺は昔からなんでも思ったことを口にするタイプ、素直な人とよく言われる。
この前そんな俺でも失礼だと思うほどデリカシーのないことを言って大勢の女子から冷たい目を向けられている男子がいた。
その男子に対し嫌悪感を感じたのと同時に、怖くなった。
自分も同じだ、この人と同類なんだ、そんな最低なことを考えてる自分が気持ち悪い、それに本当は周りのみんなから同じように見られてたかもしれない恐怖が出た。
「おーい!拓海?寝た?」
「ん?あっごめん今戻ってきた」
僕は梨良の声で深い考え事の世界から引き戻された。
「どこから?」
「デリカシーのない人ってどう思う?」
まだ半分しか戻ってこれてなかった
「んー最低」
やっぱりそうだよな、俺も梨良からずっとそう思われてたのか、、、
そしてそこから梨良はさらに付け加える。
「でも私たちも結構デリカシーないよね」
驚いて反射的に梨良の顔を見た
梨良は笑ってた。
「確かにそうだな」
そして僕も笑った。
こんなことを言えるなんて梨良は本当に頭の中がお花畑だな。
梨良も確かに素直なタイプだ、でもデリカシーがないなんて悪い噂周りから聞いたことがない。
不思議と、、梨良と一緒ならいいなと思った。
例え本当は裏で悪い噂があったとしても。
3/8/2025, 6:50:41 AM