無気力

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ある休日、目覚ましもなく目を覚ます。
薄暗い部屋の中、時計を見ると11時。
夜中の11時ではない。
リビングに降りても家族の姿はなかった。
皆出かけたのだろう。
空腹に気づき食事を探すが見当たらない。
コンビニまで徒歩10分、買い物に行こう。
外に出ると生暖かい空気に包まれた。
雨が降り出しそうな灰色の雲が頭上を覆い、盛りを過ぎた草花が項垂れている。
住んでいる人がいるのか分からない、中途半端な高さの建物。
人通りも無くモノクロの世界に取り残されてしまったような感覚だ。
情景を読み取る問題があれば、確実にハッピーな気持ちではない。
気だるそうな店員、店内放送はなんだか遠く聞こえる。
世界が灰色に感じるのは昨晩親とケンカをしたからではない。
テストの点数が悪かったからでも、名指しで怒られたからでも、あの子に彼氏ができたからでもない。
なんだか凄く既視感がある。
いや、長い人生生きていればこんな感じの日もよくあるだろう。
辺り一面が暗くなる。

ある休日、目覚ましもなく目を覚ます。
薄暗い部屋の中、時計を見ると11時。
夜中の11時ではない。
リビングに降りても家族の姿はなかった。
皆出かけたのだろう。
空腹に気づき食事を探すが見当たらない。
コンビニまで徒歩10分、買い物に行こう。

『物憂げな空』

2/25/2023, 12:56:39 PM