最近、君の体調が良さそうで、少し安心しています。ずっとベッドの上で辛いだろうに、僕が新しい本を持って行くと目を輝かせて喜んでくれる君に、僕は甘えてしまっているのかもしれないね。
自分の本棚から、君に分かりそうな本を少しずつ読ませているけど、君はすべてを理解して、どんどん難しい本が読めるようになっていくんだね。お父さんは驚いています。
僕は色々なことを学んできて、世界の生き物や歴史や物語をたくさん知っているけれど、君の体を治す医学を学んでいなかったことが、心底悔やまれます。無力なお父さんを許してください。
いまはお医者さんとも話しながら、自分でも病気のことを勉強しているんだ。
猫を拾ったことを伝えていなくてごめんなさい。あれはしょっちゅう外を出歩いて、そのまま家に上がり込むから、悪いものを運んでくるんじゃないかと思って、君には会わせられなかったんだ。
でも、仲良くなったようで良かった。冬の間はあれも外に出ないだろうから、ずっと一緒にいさせてやれるよ。
僕はね。たった一人でがんばっている君のことを、たった一人僕だけしか知らないことが悔しかったんだ。こんなにも聡明で、生きようと懸命にがんばっているのに、外の世界のことをなんでも知っているのに、世界は君のことを誰一人知らないなんて。
だから、猫一匹でもお友達ができて、君のことを知ってくれる友達ができて、本当に良かった。
きっと、きっと必ず、君が外に出られる日が来るように、お父さんもがんばるよ。
1/20/2025, 12:34:56 AM