白雪

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誰よりもずっと、小さな頃から一緒にいた。
お風呂だって数え切れないくらい一緒に入ったし、旅行にだって何回も行った。

本当に小さな頃から一緒に育って来たから、何でも知っている自信はあるし、彼も私の事を良く知っている。

だからか、他の女が彼と仲良くして親しくなるのがとて不快に感じた。
まるで大事な,お気に入りのおもちゃを盗られたような気持ちになるのだ。

「私が--君を誰よりも理解してるし--君の1番は私なの。」

そう言って何度彼に近づく女の子に忠告した事だろう。

彼は私がそんな事をしている事を知っていた。
その事が初めてバレた時、彼は私の事を心底愛おしそうに見つめて頰にキスをしてきた。
「琶厦ちゃんは俺の事が大好きなんだね。可愛い。」
そう言って私がそんな事をしているのを怒ることも何もしなかった。

そんな彼と付き合って5年目。
ちょうど18歳になり、彼と出会って18年にもなった。

成人式の後、彼と一緒に家に帰っていたら、
「琶厦ちゃん」と呼ばれた。

それと同時に繋いでいた手をするっと離されたから、何だか不安になって彼に抱きついた。



















「琶厦ちゃん、俺たち別れよう。」




、聞き間違えかと思った。
バッと彼の顔を見上げると、薄く微笑んで私の頬にいつかのようにキスを落とした。


「俺たち18歳だよ。もう、これ以上はダメだ。」


『--君、待って。』


違う、やめて。これ以上言わないで。分かってるよ。



「琶厦ちゃん。これから俺らが一緒にこんなふうにいたら皆んなに迷惑がかかる。分かるでしょ?」


分かってるって。何度貴方との未来を諦めかけたと思っているの。でも違うじゃん。やだ。好きだよ。














「琶朱くん」


そう言えば驚いた顔をする貴方。


「久しぶりに、呼ばれたね。」


そうだよ、私は貴方の名前が嫌いだよ。
琶厦と琶朱。私達が一緒になってしまってはいけない事を痛感させられるから。


誰よりも、きっと本当に愛していた。











「琶朱兄ちゃん。これからは元に戻ろう。」



彼に最後のキスをされて、私たちはただの
‘双子’に戻った。




#誰よりも、ずっと
(昨日か一昨日のものですが書いたのに投稿できていなくて本日させて頂きました。申し訳ございません。)

4/11/2024, 3:22:56 PM