【#08. マグカップ】
私のマグカップ
私のお気に入りのマグカップ
あなたから私へのマグカップ
友達と飲んだココア
寒い日に2人で子供みたいに布団にくるまって
「あったかいね」なんて2人で笑いあって
私が猫舌なところを見て大笑い
一人で飲んだ温かい牛乳
寒い日の朝、寒くて身体が動かない私に
母は子供の頃を思い出すかのように
温かい牛乳を出してくれた
家を出てからは
古い記憶を思い出すかのように
温かい牛乳と共に子供の頃の写真を見返した
空からの水か、私から溢れた水か分からないけど
顔をびしょびしょにして
あなたの家に行ったとき
あなたは何も言わず、タオルとお風呂、それと
私のお気に入りのマグカップを出して
温かいコーヒーを出してくれた
あなたと同じ屋根の下で暮らすようになったとき
あなたは私にお気に入りのマグカップをくれた
毎週土曜日は私のお気に入りのマグカップともうひとつマグカップを出して2人でゆっくり語らったり、映画を見るって約束してたな
あなたと一緒に飲んだコーヒー
お互いが相談に乗って欲しいときは
あなたのマグカップと
私のマグカップを取り出して誘い合う
ソファにゆったり座って話して
最後は結局私が先に寝てしまう
私のマグカップ
私のお気に入りのマグカップ
あなたのマグカップ
それも私のお気に入りのマグカップ
でもお気に入りのマグカップは1つになった
私は今日もコーヒーを
お気に入りのマグカップに入れて
あなたのマグカップを思い出す
そうして私は
私の甘くて、温かくて、苦くて、
そっと包んでくれる記憶とともに
1杯をそっと飲み干した
6/15/2025, 3:33:43 PM