入道雲が見える山道のガードレールの向こう側を眺めながら隣の座席の声を聞き流す。格安バスチケットで殆ど衝動的に決めた旅行はあまり予定も決まらないままなんとなくこの辺に行ってみようという計画性のない出発で。本当はどこへ逃げたかったのだろうかなんてそんな漠然とした疑問さえ浮かびそうだ。着替えはもう少し涼しいものにすればよかったとそんな思いを乗せてバスは山間へと進んで行く。温泉まであと20分。
6/29/2024, 2:14:17 PM