詠み人知らず

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静謐な石畳に

匂立つ山野に

人の隣に、街角に、この国に

彼女は長く寄り添い

憂鬱と物思いの隣人であり続けた

淡い水彩のグラデーションで

夏を孕んだその身を装い

雨に打たれる人間を

じっと見つめている

水の器よ

雨を纏うその佇まいは

この国の雨季の主

◼️あじさい

6/14/2024, 9:31:01 AM