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 イルミネーションの鮮やかな色彩が艶やかに染めている街並みを颯爽と歩く。今年のイブは平日だから仕事で帰りが遅くなってしまった。
 寒風が顔を打ちつけ、靴の中の指先は冷え、ポケットに入れているカイロはゴミになっている。

「今日はやめに家行ってご飯作っとくから鍵はポストに入れて出勤して」

 イブの前日、電話越しに彼女はそう言った。実家を離れ一人暮らしをしているから、家に帰るとご飯が用意されているのが想像するだけでありがたかった。ましてや好きな人だ、即決で「分かった」と返答して気分は高揚していた。

それがどうだ。イブの当日、僕は朝早くから仕事が入って大急ぎで準備し、鍵をポストに入れ忘れてしまった。

 彼女は最寄駅で待っている。
 急いで帰ろう、そして謝ろう。

 今年のイブの夜は、どんな風になるのだろう。

12/24/2024, 10:48:15 PM