宵崎 麗

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私は大切なものを2つ失った。
「駿くん」と「祐介くん」

「駿くん」は末期の胃がんで亡くなった。私が病室を出て1時間後に。最期を看取ることができなくて、泣きながら駿くんに謝ったな。
「駿くん」の担当医から
「駿さんは、佳奈さんの前では強がってたのだと思います。よくあるんです。最期の最期までかっこよくあろうとする人。」
その言葉を聞いても、気持ちの整理ができてない自分がいる。いっその事、私が見てる時に笑顔で旅立ってよね。
「駿くん」からの最期のプレゼントのお手紙と桜の花びらは大切にしまってる。

「祐介くん」は、私が「駿くん」の話をしたら別れ話を切り出してきた。
エイプリルフールだと思ったら違ったみたい。
「祐介くん」に背を向けて歩き出したら後ろから
「佳奈!!!!」
って叫び声聞こえたんだ。
「──もう遅いよ」そう呟いて、私は歩みを止めなかった。
止まったら「祐介くん」に迷惑がかかるから。
「祐介くん」との写真や贈り物は大切にしまってる。

ここ数年で沢山失ったな。
好きなケーキを食べても味がしないし、推しを見ても楽しくない。
「駿くん」と「祐介くん」が居ない世界で生きていけるのかな。そう考えた時に自信がなかった。
「おぉ、高……」崖ってやっぱ高いな。
靴を脱いで1歩1歩前に出る
「やっぱ怖いな〜」いつの間にか涙が出ていた。
泣いても2人は助けてくれない。
あと一歩のところで足が出ない。震える。
結局、その場に座り込み泣くことしか出来なかった。

「大切なもの」

「幸せに」と「エイプリルフール」と繋がってますので、読んでくださると幸いです。

4/3/2026, 10:16:43 AM