ギラギラと照りつける太陽に焼かれながら、不甲斐ない我が身を呪っていた。
そうかと言って、状況を改善する気も起きず、もうこのままずっと微睡んでいるのもいいような気もしてきていた。
ああ、何もかもが億劫で、このまま終わりを迎えてもいい。
怠惰な考えに身を任せようとした時、一人の人間が我を持ち上げて、小さな透明な箱に閉じ込めた。
もはや脚の一本も動かすことができず、弱った体であったが、小さな透明な箱の中は涼しく、気が付いた時には美味い蜜を無我夢中で食していた。
訳が分からぬままやってきたが、ここはなかなか快適で、あの夏から一年、我は人間共と暮らしている。
さしたる不満はないが、一つ言うならば、我は黒糖味より果物味のあれの方が好みである。
8/6/2024, 1:35:44 PM