イルミネーション
冬の街に灯る明かり。
冷たい風が頬を刺す中、
何処か温もりを感じる、
イルミネーション。
行き交う恋人たち。
手を繋ぐ家族。
微笑みながら、
足を止めるその姿に、
煌めく光の中に、
冬の街が息衝いている。
そんな街を、
俺は友達と歩いてた。
寒さに背中を丸め、
つい、早足になる。
だけど、不意に、
イルミネーションの光に惹かれ、
歩みが緩んだんだ。
その華やかな煌めきを、
目を細めて、見詰める君。
だけど、俺は。
イルミネーションの煌めきよりも、
君の瞳の輝きに、
目を奪われていたんだ。
隣に立つ君の手に、
俺の手が微かに触れる。
その瞬間、胸が高鳴る。
心臓が、音を立てて跳ね上がる。
だけど…俺には、
その手を握る勇気なんか、
何処にも無くって。
離れてしまうのは、寂しいのに、
どうしても、踏み出せないんだ。
触れた指先の温もりが、
冷えた空気の中で、
激しく、俺の心を揺さぶる。
冬の夜に華やかに煌めく、
イルミネーションよりも、
ずっと…鮮烈に。
12/15/2024, 7:41:17 AM