一本の痩せたオリーブの樹のある丘。
ワルシャワの古い街角やウィーンの石畳の写真。
マリブ・ビーチの朝焼け。
バルセロナの街に掲げられた“ ¡ No pasarán ! ”のスローガン。
サグラダ・ファミリアのステンドグラスに差し込む月明かり。
スペインの内戦に身を投じたカメラマンを描いた舞台作品。
小さかった私には、スペインがどこなのか、ファシストとは何なのかすらよくわからなかった。
でも、理解できた音楽があった。
第一幕の最後の曲「ONE HEART」
人は誰でも心があり、そこには血が流れている。
心で、お互いのぬくもりを感じられたら
心で、傷つけないよう庇いあえば
心で、許し合い認め合うことの意味を忘れなければ
心で、夢を共に追いかけられれば
心で、語り明かすことができたら
心で、愛し合い触れ合うことができれば
心で、恐れさえも分かち合えば
友を信じることができれば
争いは起きない。
今、世界には苦しんでいる人たちがいる。
私に直接何かができるわけではない。
でも、せめて、彼らに心を寄せることを忘れたくはない。
──────“声が枯れるまで”
10/21/2024, 3:07:35 PM