静かな山道。
荒れ放題で、申し訳程度の道を降っていく。
背負っている子供はすやすやと寝息を立てていた。
初めてのことで流石に疲れたのだろう。
その小さな音と、温かな体温にふっと頬が緩む。
この子の、これからの人生。
幸せだと。俺と暮らせて良かったと。
そう思ってもらえるように頑張らないとな。
そう改めて決意をし、一歩を踏み出す。
行こう。新しい生活へ。
こんな山は降りて、あんな村とは訣別を。
遠くの街へ。俺と行こう。
2024/02/28_遠くの街へ
2/28/2024, 10:31:31 AM