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わたしは、いじめられた腹いせに、濡れ衣を着せて相手の子を孤立させるような子供でした。
飼っていた鼠が怪我をした時には、早く、タヒんでしまえばいいとだけ思いました。
あわよくば自タヒを選んでくれないかと、期待と悪意を込めて人間に言の葉を吐いたことすらありました。
わたしをわたしたらしめるのは、いつも幼稚な、稚拙な、しかし確かに理解の得られない、無垢な化け物根性でした。
それは時に不理解に悶え、殺意すらも孕むような激しい人間憎悪に向かいました。
わたしは、野良猫に魚肉ソーセージをやりました。
それは猫が食えるか、わたしには興味がありませんでした。それを食ったことにより元気になってくれたなら、わたしは嬉しいと思いました。しかし、それを食ったことによりタヒんでしまっても、街のお掃除になってラッキーと思いました。
わたしの正気に、眉を顰めるのが人間というものですが、それでもわたしはあの方を愛していました。
異端を突きつけてくるだけの役割をもつ、ヒト属が、初めてわたしに温さをくれました。
軽率でした。どれだけ苦しくても、わたしは人間になりたいと思いました。中身を理解できなくても、せめて、皮だけでも、人間になりたいと。
人間にしてください。もう、血で謝罪文なんて書かないから。タヒんだペットを食わないから。人間の頸に噛みつかないから。失禁だとかも恥じるから。自分の肉を焼かないから。何も言いたいことはわからないけど、ちゃんと、人間みたいなことをするから。するから、ね。
ね、わたしは人間でした。
ただきっと、正気ではなかったのです。
だから人間みたいなことをしようと、あのご縁は無かったことに致しました。
とても美しい方々だったのです。
あの方々がわたしに欺かれたままでは、どうも辛くて、辛くて…
だって、人間なもんですから、わたし、飼ってた鼠がタヒんだときね、嬉しかったのです。
もう、苦しくなくて、よかったと。

1/13/2024, 8:40:45 AM