題 同情
「あなたは少し人と違うから」
「ちょっと、変わってるね」
「ねえ、大丈夫?」
「なんか、合わせるの大変で」
今まで、いろんな「同情」を受けてきた。
私は人と少し違う。ずれていると言っていいらしい。病名がついているらしいが、それを言うともっと同情の言葉と自分勝手な思想が他人の口から聞こえてくるので黙っている。所詮、これは自分の感情の物差しが人とは違う長さなので、私は社会に当てはまらない。もう割り切っている。
それでも、ふとした瞬間に
「大丈夫だよ」
「もうちょっと愛想よく」
「ねえ、辛いなら言って」
そう言って、私が話して、わかってくれたことはない。
「一人でいるのが好きです。人と話すのは苦手です。アレルギーで食べ物も制限があります。運動は生まれつき苦手です。お酒も飲めません。飲みたくありません。家庭が複雑で、父親も母親も昔蒸発しました。結婚なんてしたくありません」
正直に答えると、一拍の後に、皆が浮かべるのは愛想笑い。
そして貼られる「可哀想な子」のレッテルはもう何枚目だろうか。
これが私なのに。あの子は可哀想な子。
親がいない。好きなご飯も食べれない。結婚しないなんて、女の幸せなのに。
ため息。
貴方の中で、私は可哀想ですか。
暴力と育児放棄を続けた親は今刑務所の中です。
食べ物は気をつけさえすれば美味しくいただけます。
お酒は飲めませんが居酒屋の雰囲気は好きです。焼き鳥の美味しいお店はいっぱい知ってます。
運動は苦手ですが、休みながら散歩するのは好きです。暖かい日差しを浴びるのは好きです。
結婚願望がないとは言えませんが、日々お金を稼いで、老後の資金はバッチリです。年金も真面目に納めています。今度旅行に行きます。これは老後まで遊べる趣味ではないでしょうか?
私は、可哀想ですか?
今が楽しい私は、可哀想じゃない。
貴方が決めた「同情」のレッテルを勝手に私に貼らないで。
そして今日も、相手が無意識に張ってくる同情のレッテルを引き剥がす。
2/21/2024, 12:09:02 AM