愛くるしいきゅるきゅるとした瞳が
こちらを見つめている
「この子に名前を付けるとしたらレベッカだね」
「えっ飼うの?」
平日のペットコーナーはガラガラで、
私と彼女以外には檻に入れられた小動物が
退屈そうにこちらを見ているだけ
「うん。この子可愛くない?2人きりだと寂しいじゃん、ペットがいたら彩になるかなあって」
「ならないならない、何言ってんの」
人目がないことを良い事に
恋人らしくベッタリ私に張り付いた彼女が
ぶすくれた声を出す
「あなたには私がいるでしょ?犬なんかを可愛がるならその愛情も私に頂戴よ」
軽く頬をふくらませて、
上目遣いで腕にすりつく彼女のいじらしい事
まるで母の愛を独り占めしたい幼児のよう、
心の中でそう思い、
私は笑った
子供のままでいて頂戴
誰彼構わず嫉妬してぶすくれて
私の愛情を一心に欲しがって
そのままずっと隣にいてね
5/12/2024, 10:58:25 AM