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 生きていた時の俺が、初めて貴女に出会ってから共に過ごせたのは、たったの三日三晩と、その明くる朝だけでした。それも、貴女を本当に愛して慈しめたのは、最後の一晩のみでした。

 貴女を出会ったその時から愛せていれば、貴女は俺を旅に出さなかっただろうか。貴女にあんな狼藉を働かなければ、お傍にずっと置いてくださっただろうか。何度そう考えたか、もう覚えていないほどです。

 貴女が俺を送り出したあの朝が、貴女との最後の時間になったこと。
 貴女が、俺の帰りを待たずに病で亡くなったこと。
 それを知り、貴女のいない世界でいきることに耐えられず、俺が自ら命を絶ったこと。
 どれも、もう五百年以上も昔のことです。
 
 ああ。
 貴女をこうして幾百年見守って尚、俺は貴女を十分に愛せている気がしないのです。
 もっと、俺の愛を貴女に伝えたいのに。
 もっと、貴女を大切に守りたいのに。
 誰より貴女を、幸福にしたいのに。

 俺が生きている時にそうできていたら、この痛みを感じることはなかったのでしょうか。

6/26/2024, 1:37:29 PM