お題 ふとした瞬間
(2025/04/28 書きかけor没にするかも…未定)
まるでカメラのシャッターを押す様に、切り取られた記憶が目の前を横切る。
その度、僕は不思議な感覚に陥る。
果たして、今の僕は、本当に“僕”なのだろうか、と…。
目覚めは、いつも最悪だった。
なので、せめて起き上がれる様にと、その時々で好きな曲をアラーム音になる様セットしていた。
そして、少しばかり思考を落ち着かせてから、ほぼ毎日眠りに落ちる前に付けていたヘッドホンコードを、巻き付いた喉から剥がしていく。
こんな事を続けているというのに、相変わらず何も起こらない朝だ。
ため息が出る。
適当な朝食を済ませ、身支度を整える。
外に出る事は億劫ではあるのだが、ここに居るよりも、落ち着いて過ごす事はできるし、時間になれば安眠も可能だ。
昨日寝るギリギリまで作業していた物を、出る前にさっと片付けておこうと、朝日に当たり、レースカーテン模様に淡く影を描く卓上に目を向ける。
描きかけの君と目が合う。
爛々と星が灯るような、僕とは正反対の希望に溢れる瞳。
4/27/2025, 8:39:44 PM