あなたのもとへ
自分嫌いのあなたはいつも何処か苦しそうです
笑顔で繕って、弱いところはしまって、独りぼやけた月を眺めているのでしょう。
目の前に咲く花も造花だと言い張り、にわか雨が降りそうだと、そんなことばかり考えているのでしょう。
何処か遠くに逃げたいでしょう。
ずっとずっと遠くに逃げて美しいものだけを眺めてただただ美しいと言いたいだけなのでしょう。
それなのに世界で一番醜いものがずっと側にいて、どこにも逃げられないと言うのでしょう。
私が花をあげても見向きもしないでしょう。
私が落とした石ころにずっと涙を流すのでしょう。
そんな貴方を見るのは心がきゅっとなるのです。
きっとあなたはわからないのでしょう。
わかりたくないのでしょう。
わかれないのでしょう。
全て嘘のように思えるのでしょう。
私はそれが悲しくて仕方がないのです。
あなたの心の奥底から思わず溢れたような、屈託のない笑みが見たい。
自分が好きじゃなくたっていいんです。
ただほんの少し、こんな自分でもいっかと思えるような瞬間があなたに訪れてほしいのです。
誰かと居る時、何かをしている時、どんな時でもいい。
川辺のベンチに座って鳥を眺めている時のような、何でもない時間が、
そうしているだけで思わず愛してしまうような、そんな時間がどうか、どうか、
あなたのもとへ訪れてほしい。
そんなことをいつも願っています。
1/15/2025, 12:22:06 PM