早朝、仏壇の前で祈り、神棚に対して祈る。礼節を重んじているように見えるが、お供え物が用意されていないことに気づくと苛立ちながら炊飯器へ向かう。なぜなら本当の意味で祈っている訳でも感謝している訳でもないからだ。
ただの習慣的行為。他者よりも優れた人間であると満足したいだけの"慎みの見せびらかし"。
祈りの果てにインスタントコーヒーが残っていなくて怒鳴る。故人も呆れ果てているだろう。
"そんな態度なら、もう祈らなくていいよ。さっさと行ってくれ"
題『祈りの果て』
11/13/2025, 7:17:35 PM