──遠くへの手紙。
あたたかい寝巻きを買いに行こうと約束しましたね。あなたはずいふん寒がりで、冬の朝がとても苦手だったから。あなたの好みに合わせた濃さのコーヒーを淹れて、どうにかリビングに連れてくるのに苦労しました。
揃いのマフラーを買おうと言ってくださったのはいつだったでしょうか。みぞれが降っても霜が降りても、いっしょに出かけたかったから。お互いの髪の色や瞳の色と合わせようと言ってみたりして、とても楽しい時間でした。
雪が降ったらゆきだるまを作りたいと願ったのを覚えていますか。幼い頃は、寒い日に外で遊ぶなんてことは許されなかったから。にんじんを鼻に、バケツを帽子に、枝を手にするんだと知って、とっても驚いたんですよ。
そちらでは雪は降りますか。寒さも暑さもない、ちょうどいい過ごしやすい気候なんでしょうね。雨も降らないんですか。それなら虹もかからない?
雪に似た、白い羽が降っているんでしょうか。もしかしたら、今のあなたにもその羽はあるのかもしれませんね。
あたたかい毛布にくるまっておしゃべりすることも、互いの瞳の色のマフラーを巻いて出かけることも、地面に足跡をつけながらゆきだるまもつくることもできないけれど。
大丈夫だから、安心して待っていてくださいね。
何も心配なさらないでください。
あなたがいなければ生きていけないけれど、あなたがいなくても呼吸をすることはできるのですから。
(冬は一緒に)
12/18/2024, 12:49:19 PM