君と一緒にいたいと思った。
毛並みが可愛らしい君と一緒に。
抱きしめたら、モフモフしているのだろう。首に巻けたら生きているマフラーになるんじゃないかな。
眠っている君の姿も可愛らしい。いつまでも眺めていられそうになる。
鶏を狩ろうと飛び跳ねる君の姿は、とても凜々しく思えてくる。
でも、鶏の代わりに君にあげたいのはベリーだろう。
ベリーの赤い実を食べる君の姿はとても可愛らしい。
しかし、君は決して懐くことは無いのだろう。孤高な姿も好きだ。
君のために、君の顔を模したオブジェを建築しよう。
オブジェを君の家にしよう。君が喜んでくれるかは分からないけれど。
一人だと寂しく無いように、色違いの君の仲間も招待しよう。
大きなオブジェの家を建てて、走り回れるようにしよう。
君の苦手な狼は別の所にいてもらおう。オブジェの外にね。骨で懐かせてから。
そうすれば、君に対する私の想いは伝わるだろうか。伝わらないのかもしれない。けれども、私はそれでも構わない。
私の自己満足だとしても、君のことを想えるならば、その苦労は楽なものだ。
私の可愛いキツネさん。あなたのために安全な場所を設けよう。
狼に追われることの無い場所へと。あなたを誘おう。
そこがあなたの安全地帯になるのだと信じてーー。
ーー彼の想いは伝わったのか。それとも、伝わらなかったのか。それは誰にも分からない。
けれど、そこには満足そうな表情をした彼の姿がそこにあるのであったーー。
1/6/2025, 11:50:53 AM