無有

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『逃れられない』

生と死。

この世は、選択は最終的に2択になると僕は考える。
そして、生死においてもそれは例外ではないと言える。

生きるか死ぬか。これは、2択の中でも究極のものだろう。精神的に辛くなり、追い詰められたとき。誰もが「死にたい」と思ったことがあるのではないだろうか。

しかし、自らの命を断ちたいと思う前。「どこか遠くに行ってしまいたい」「誰にも会いたくない」「消えてしまいたい」と願うことはないだろうか。

僕は、ふと、幽霊のように周囲の人から認知されない存在になりたいと思うことがある。確かにそこに自分は存在しているが、周囲の人は気づくことがない。生きることと、死ぬことに挟まれた、第3の選択肢。「消えてしまいたい」という願望。

だが、このことは現実的にはあり得ない話だ。消えてしまうだなんて、透明マントなんて代物がない限り、不可能だと言えるだろう。

どんなに考えたとしても、結局は、2択を迫られるのだ。

どちらを選ぶのか選択することからは逃れられない。

今日も僕は、選択することから逃げたいと願っている。

5/23/2024, 1:15:12 PM