貴女はいつかこの世を去り、多くの貴女を慕う人たちをこの世に残すでしょう。
彼らは貴女を想って遠くの空を見上げ、涙をこぼすかもしれません。
けれど貴女の魂は、そこに長くは留まりません。貴女の美しい魂は、生きとし生けるものを助けようとする高貴な意志は、その安寧のうちに眠ることを良しとはしないのです。
俺たちは貴女の魂の巡る様を、ずっと見てきました。
時に傷つき、時に裏切られ、それでも人を信じて愛そうとしてきた貴女の姿を、俺たちは見守ってきました。誠実で高潔で、そして何より温かい優しさを持った貴女が、幾度も命を得て人を救うのをつぶさに眺めました。
貴女は次もきっと、同じことを繰り返すのでしょう。
貴女がこの世に残した人たちも、いつか空に還ります。
その時貴女は、もはやそこには居ません。
そうして彼らは気づくのでしょう。
貴女という存在が、遠い空の向こうで眠っていたのではなく、既に彼らと同じ空の下で息づいていたのだということに。
4/12/2024, 10:37:20 AM