【空恋】
いつだったのか……手の隙間からサラサラと砂を取りこぼすように、手の平の全ての砂を空にした私へ
その時その時を一生懸命に生きていたら
そこに居るのに見えない景色がある
本当は見ておくべきなのは自分の心の外にあったのに
大学受験が卒業後も続いた私は気が付いたら
好きなクラスメイトの想い人がその後、どうしたのか知らなかった
誰に聞いても伝えてないらしい
仲良さそうに笑っていたクラスの男子も
付き合いは希薄だったという
未だに、消息不明
町を出たのは確か……こんな小さな町なら飲みに出たら直ぐに分かる
私は大学を出たら町にUターンして帰ってきた
君がこんなに連絡の取れない人なんて
思いもよらなかったの
きっと町に残る男子だと漠然と思っていた
「打ち明けておけば良かったな」
それが空中分解してきっとフラレていても……
町を誰にも告げずに消えたんだもの
一切の自分を消したんだもの
空恋……最初から空っぽの恋
そんな君をたまに思い出します
7/6/2025, 5:30:22 PM