ミントチョコ

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題 真夜中

「トントン」

真夜中寝付けないでいたら、外の窓から音がした。
私は起き上がって2階の窓を開ける。

「どーぞ」

隣の家のカイが入ってくる。
同い年のお隣の家の男の子だ。
カイは、昔から屋根伝いに私の部屋を訪問する。

何度怒られても懲りないカイ。
私ももう高校生なのにな。
いいのかな、こんなんで。

「寝れないんだろ?」

「ん、よくお分かりで」

毎日不眠気味な私。
カイは、たまに来てはいろいろ話したり、寝付けるまで歌を歌ってくれたりする。

「カイも寝れないじゃない?別に来なくていいんだよ」

私がそういうと、カイはいつも傷ついたような顔をする。

「そんな事言うなよ。俺がいないと寝れないくせに」

「うーん、まぁ、それはそうなんだけど、カイがいないと寝れないんじゃ困るじゃない?」

「別に困らないだろ、俺がいればいいんだから」

そう言うと、当然のようにベッドに来て、私の頭をなでるカイ。

「何か話してやろうか?」

「え、うん・・・って、カイだってずっと私と一緒にいるわけじゃないじゃない」

私は流されそうになってはたと気づく。

「私がちゃんと自分で眠れるようにならないとだめなんだよ!」

「・・・出来るのか?」

カイの視線にうつむく私。

「それは・・・気合で・・・」

「そんなの気にするなよ!」

そう言うと、カイは私を無理やりベッドに押し込む。
再び頭をなでると、ベットの端に腰掛けるカイ。

「俺が一生責任持って面倒見てやるよ」

「え?それはムリでしょ、私もカイもずっと一緒じゃないんだから」

私がなでられて多少の眠気を感じながら言うと、カイは答える。

「一生一緒にいればいいだろ?俺がずっと寝かしつけするよ」

「えっ?!じゃあ結婚するしかないね」

私はカイの答えに笑って返答する。

「そうだな、結婚すれば万事解決だな」

あれ・・・?
冗談のつもりだったのに・・・。

見上げると、真剣なカイの眼差しと視線がぶつける。

「それって・・・?」

「お前のことずっと好きだったってこと」

涼しげな顔で言われて、パニックが止まらない私。

「はっ・・・・?なっ・・・?!」

「どうせ、俺がいないと寝れないんだから、お前は俺を選ぶしかないんだよ」

頭を撫でていた手が私の手を優しく握る。

何だかそう言われているとそんな気もしてくる。

「じゃあ、私に他に好きな人が出来なければね」

そう言うと、カイはニコッと笑って、私に不意に軽いキスをする。

「はっ!?」

びっくりして声が出る私に不敵な笑みを見せるカイ。

「絶対に他に好きな人作らせないよ」

そのカイの表情に、不覚にも私はドキドキしてしまっていた。

5/17/2024, 1:05:11 PM