「先生!雪合戦しましょう!もしくは雪だるま!」
開口一番にそんなことを言った君は今日も元気に寒そうな脚を見せていた。
雪のように真っ白の脚が寒さで赤くなっているのが可哀想だと思った。
でも、貴方は寒さにひるむことなくむしろ寒い日の方が元気そうねなんて。
貴方がいるだけでこの場所も温まる気がする。
「えぇ…俺寒いの苦手だから嫌、」
「え〜そんなこと言わないでくださいよっ!きっと楽しいはずです、ね?」
「嫌なものは嫌、貴方の頼みでも無理よ、」
冬の凍てつくような寒さは20数年生きても慣れることはない。雪を触るなんてもってのほか。
何も考えずに雪玉を転がしていたあの頃ならこの誘いも嬉しいものだっただろう。
「もー先生の意地悪、冬が1番すきだから先生と思い出作ろうと思ったのに…わからず屋、…」
1番好きな季節に俺と思い出作りたいなんてやっぱり貴方は物好きだね。
でも、貴方となら…ちょっと楽しそうだなって考えてしまった。
作った雪だるまが溶けてしまうのを優しい貴方の事だから心底悲しがるんだろうなって想像まで安易に出来てしまう。
「…あーもう、分かったってば…、雪が降ったらね?」
「やったぁ!先生私にあまいですねっ、」
俺は大概貴方に甘いみたい。だって楽しそうなんだもの。
冬休みまであと一週間もない。
それまでに雪が降るといいなぁ、なんて寒がりの俺らしくないことをこっそりとお願いした。
寒がりなのに貴方との雪遊びを楽しみにする俺も相当物好きかも。
2023.12.15『雪を待つ』
12/16/2023, 9:26:04 AM