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微熱
「ピピッ」
機械的な音がなり、私は体温計の表示を見てため息をついた。
「37.2℃、微熱か…」
正直、高熱より微熱の方が面倒くさい。
学校を休むほどでは無いけれど、なんだか体の調子が悪い。
何度目かのため息をつきながら重い身体にムチを打ち、未練がましくもぞもぞと布団から出た。
「寒っ!」
布団で温まっていた体に11月のひんやりとした空気が私の心をもっと憂鬱にさせる。
お母さんの怒号で私はようやく動きだした。
のろのろと制服に着替え、朝食を食べ、駅に着いたら急いで電車に乗る。
途中までは1人だから、電車に揺られながら考え事をする。
(学校、行きたくないなあ…)
嫌いな子は付きまとってくるし、先生は鬱陶しいし、授業は楽しくない。
嫌いな子と食べていた昼食の時間がどうしようもなく苦痛で、4限目のチャイムがなったらこっそり教室を出る。
10分ぐらいぶらぶら歩いてからまたこっそり教室に戻り、1人でお弁当を広げる。
寂しい時間だと思われるかもしれないが、嫌いな子に愛想笑いをしながら味のしない食事をするよりずっと楽なのだ。
その子はみんなから嫌われている訳ではなくて、一部から嫌われている。
そんな子に付きまとわれている私は、もう我慢の限界で。
ーなんで、私だけ。
そんな思いが渦巻く心を抱えて今日も私はひきつる笑顔を無理やり作るのだった。

               2024/11.26 微熱


1つ前の投稿が7月16日と随分間が空いてしまって自分でも驚いています。
毎日嫌な事ばかりですが、頑張りすぎずに生きていきたいですね。

11/26/2024, 2:32:23 PM