空の色が変わり始めた夜明けの手前で、カーテン越しに白い夜を見るんだけど、私はあれを月の光だって勘違いしてたのよ。考えてみたら月の光なわけないんだよね。家の角度とか窓の配置とか、もうとっくに月は西に沈んでて私が見てるのは夜明けの白んだ太陽の光なんだよ。だけど、ずっと真夜中を白い月が煌々と照らしてるんだと思ってた。
月暈っていうらしいんだけど、満月を白い輪がぐるりと囲んでる夜のあれ。冷たい冬の空に見えたりする、あんな感じで雲一つない冷たくて明るい夜空なんだなぁって、春先の明け方4時に思ってた。時間どころか季節まで過ぎていたことにも自覚なくって。横たわってぼんやりする形式の睡眠を毎日続けていたら、月にだって願うよね。寝たいって。いやはや、まさか太陽だったとは!
『月に願いを』
5/26/2024, 2:25:40 PM