Kohr

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ある古い書物の1節にて。

少女は涙を流しながら、お願いをした。

「お願いです。明日もし、晴れたら」

この少女の国は雨が降り注ぐ国。晴れは1年に1回のみ。

この少女のお母さんは王賊に囚われた。助ける方法はこの雨を終わらせること。

「明日もし、晴れたら、お母さんの命は救われます。どうか……」
そう、願いを込めた。

これは「雨々物語」というお話だ。

晴れなければ母は救われぬ。


ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー

8/2/2023, 6:20:25 AM