子供のままで私の母はなんでもかんでも口を出す人だった私はそれを受け入れ思春期には嫌がる素振りはするものの内心では些細なことでも決めてもらえることに安心していた今、光指す教会の体をした壇上で左手の薬指に光る輪が通っていくがちり、と一生離れなさそうな音がした現実味のない景色を眺めながら異動だろうかと考える安心を貪る相手が変わるだけだどこまでも子供だなと呆れて上がった口角に彼はにっこりと微笑み返した行く末は安泰そうだ
5/12/2024, 2:05:45 PM